帰国
体がじんわりとだるい。脂汗が身体全体を覆っている。暑く、熱がこもっている感じ。帰って、シャワーを浴びよう。
1時間と10時間の航空便を乗り継いだ。スウェーデン時間午後1時頃に最初の便が出発して、日本時間午前10時に到着。もう新しい1日が始まっている。時差ボケ対策のため、出発前は長めに寝たり休むことを意識した。
スウェーデンには何度が行っているが、帰ってきたときの心境には微妙に差異があるような気がしている。
今回はスウェーデンを去ることに対して、漠とした寂しさがあった。
ただ、泊まっていた友人の部屋を出て、電車とバス、飛行機を乗り継いでいく過程では、慣れからくる落ち着きもあった。
そして、帰ってきてみると、今までになく違和感を覚えている。雪がなく茶色と薄緑色の地平、コメディアンが笑う奇妙な広告、目が充血し赤茶けた顔のサラリーマン、漬物のツンと鼻をつく匂い、人混み。たった3週間離れていただけで、そんなに違和感があるか。自分に酔っているのか。きっとすぐに慣れてしまうだろう。だからこそ、この違和感を大切にして、少し考えてみたい。
今回の滞在では、現地の人と会う時間が多かった。これまでは向こうに行っても一人で過ごす時間も長かった。現地の人と過ごし、状況に埋め込まれることでこそ、現地の「文化」がより身体に染み込むのだろう。少し分かるようになってきたスウェーデン語に囲まれて過ごす時間も長かった。あのリズムある響きが恋しい。
旅の後半はゆっくり一人で考えるような時間もあまりなく、生活リズムも一定して、状況に合わせて瞬発的・無意識に行動することが多かった。そのため、身体自身に馴染んだ感覚ができあがったのかもしれない。スウェーデンでの認識対象を明確に意識・思考できていたら、日本に帰ってきて違う認識対象が現れたときでも、差異を明確に思考できるようになり、身体的な違和感・驚きは強く抱かないかもしれない。
向こうで使い慣れていた赤と黄色のバスカードではなく、緑色のカードを改札に当てる。残高不足だ。
言葉、生活習慣。これまでより強い寂しさは、現地への馴染み方が強くなってきた徴でもあるということで。
見学が増えていくにつれて、記事を書く時間を作れていなかった。遡ってでも書いていこう。