街案内
友人伝いで日本出身の留学生と知り合い、私のいる街へ旅行するとのことで、街を案内して回った。
この街には何度も来ているけれど、いざ街案内となると、どこを見せるか迷う。
思いつくままに歩いたけれど、めぼしいところは大体見て回ることができて、いいコースだったのではと満足感がある。大広場、大聖堂、カフェ、公園、野外博物館など。相手が何を見て、感じたかの全てを知ることはできないけれど。
一緒に案内して回るなかで、私自身が行ったことや出会ったことのなかった新しい場所・モノ・人に出会うこともあった。生活する視点と、観光する視点とは違うもので、生活の場を後者の視点で見てみるのも楽しいし、発見がある。
ただ、自分自身も、この街をそんなに堂々と紹介する立場なのかと問われば、そうでもないという気もする。市民権を持っているわけでもなければ、スウェーデン語も流暢ではなく、滞在期間も住んでいる人たちに比べれば圧倒的に短いだろう。そう考えると、自分は当然この街の「外部者」であるようにも思う。道を行き交う知らない人たちの顔を見れば、そういう感覚も湧きあがる。
しかし同時に、その街で生まれ育ったからと言って、必ずしもつながりや知識が深いとは限らない。そういった場合は、出身地に対しても「外部者」と感じるような場合もあるだろう。
それでも、私はこの街に繰り返し来ていて、友人や思い出もあり、愛着もある。それに、別の街から来た人と一緒に過ごすことで、相対的に、この街とのつながりの強さを感じることができた。